日本国際平和構築協会(Global Peacebuilding Association of Japan, GPAJ)の特別顧問であり、元国連事務次長の明石康氏が、2004年秋の叙勲において旭日章の最高位である旭日大綬章を受章しました。旭日大綬章は、日本政府が国家または公共に対して顕著な功績のあった人物に授与する旭日章のうち最上位に位置する勲章であり、日本の栄典制度において外交・国際関係分野の功労者にもしばしば授与される極めて名誉ある勲章です。
官報によれば、明石氏は2004年11月3日付で旭日大綬章を授けられました。また、皇居における大綬章等勲章親授式において、天皇陛下から直接勲章の親授を受け、その後、内閣総理大臣から勲記が伝達されています。
叙勲の理由としては、長年にわたり国連職員として国連事務次長などの要職を務めるとともに、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)事務総長特別代表としてカンボジア和平プロセスを主導し、また旧ユーゴスラビア紛争において事務総長特別代表として和平と安定の実現に取り組むなど、国際社会の平和と安定に大きく貢献してきた功績が挙げられています。
明石氏は1954年に東京大学を卒業後、フルブライト奨学生として米国バージニア大学およびタフツ大学フレッチャー・スクールで学び、1957年に日本人として初めて国連事務局の専門職員に採用されました。その後、国連広報担当事務次長、軍縮担当事務次長、人道問題担当事務次長・緊急援助調整官などを歴任し、国連を代表して世界各地の紛争と向き合ってきました。
現在、明石氏は日本国際平和構築協会の特別顧問として平和構築や国連改革に関する議論に継続的に関与するとともに、京都国際平和構築センター名誉議長や国立京都国際会館理事長などの要職を務め、国際社会における日本の役割と平和外交のあり方について積極的に発信を続けています。
(レポーター 井門孝紀)
