国連創設80周年の節目にあたり、世界連邦日本国会委員会 事務総長の海江田万里衆議院議員は、国連大学(東京本部)のチリツィ・マルワラ事務次長(学長)および国連中国常駐調整官シッダールタ・チャタジーら来賓への謝意を表し、国連大学の使命と世界連邦の理念の接点を強調した。また、過去の国会決議(国連創設60年/日本の国連加盟60年)を想起し、国会として新たな決議実現への決意を表明。討議では、中国の国連姿勢と安保理改革をめぐる日中のスタンスに関する問題意識を提示し、チャタジー氏の見解を求めた。
レポーター:井門孝紀
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発言全文
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皆様、こんにちは。私は本日の主催団体である世界連邦日本国会委員会の事務総長を務めている海江田万里である。
言うまでもないが、国際連合は80年前の1945年10月に創設された。これを機に、世界連邦日本国会委員会では国際連合創設80周年記念フォーラムを開催することにした。
本日は、日本に本部を置く唯一の国連機関である国連大学のチリツィ・マルワラ事務次長(学長)、そしてシッダールタ・チャタジー氏をはじめ、国連高官の皆様をお招きしている。お忙しい中、ご来場いただき、誠にありがとうございます。
国連で重要な役割を担う方々をお招きし、お話しできる機会を持つことを大変うれしく、光栄に思う。国連大学は、人類の存続、発展および福祉に関わる緊急かつ世界的な問題を対象としており、我々世界連邦の関心の対象と一致している。国連大学のマルワラ学長から直接お話を伺えることは、私どもの今後の活動に大いなる糧となるであろう。
また、緊迫する東アジア情勢に鑑み、中国常駐代表を務めておられるチャタジー様からは、国連というマルチ外交の観点で見た中国の実情についてお話しいただけることを期待している。
日本の国会では、国連創設60周年に衆議院、国連加盟60周年に参議院において、日本が国際貢献を誓う決議を行っている。決議では、我が国が国際機構の改革強化を目指しつつ、国際法の発展、核兵器開発など軍縮外交の推進、世界連邦実現への道の探求に努め、平和な未来を確実にするため最大限の努力をすべきであることを謳っている。
国連創設80周年にあたり、国連高官をお招きして行われる本日のフォーラムが、衆参両院における決議の理念を想起しつつ、国会の80年の決議に向けて――まあ、国会がしばらく空白があったため決議ができていないが、私はまだ諦めていない。この決議に向けて努力を重ねていきたいと思う。
混迷する国際社会において、これからの平和構築、法の支配の発展を考える貴重な機会となることを記念し、私からの挨拶とする。
ありがとうございます。
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中国の国連に対する姿勢についてであるが、近年、特に積極的になってきているように見受けられる。
しかしながら、国連を真に有効に機能させようとすれば、必ず安保理(安全保障理事会)の問題に行き当たる。
先ほど三宅参事官からもお話があったとおり、安保理改革は避けて通れない課題であり、その中で日本が果たすべき役割は非常に大きい。
ところが、私の理解する限りでは、中国は「国連を重視する」という建前は示しているものの、肝心の安保理改革、特に日本がその議論に積極的に関与することについては、あまり前向きではないように思う。
この私の認識は間違っているだろうか。
チャタジー様のお考えをぜひお聞かせ願いたい。
