衛藤征士郎自民党外交調査会・世界連邦日本国会委員会会長の招待に応え日本国際平和構築協会理事長が「国連改革、国連憲章と日本国憲法の意義」を説明した。(11-12/04/2018)

 ブトロス=ガーリの「平和の課題」からコフィ・アナンの「より大きな自由を求めて」、潘基文そしてグテーレス国連事務総長たちの国連改革の経過を説明し日本のあるべき姿を示し、日本国際平和構築協会理事長は従来のウエストフェリア体制での一国の覇権の下での平和と安全の維持を試みるのではなく、グローバルガバナンスの体制で公平で公正な国際社会を築いあげることが、日本国憲法そして国連憲章の求めている世界像に沿って行くことが最善であると説いた。

衛藤征士郎 世界連邦国内議員委員会会長の挨拶

<本人出席>
 自由民主党 衆議院議員 逢沢一郎先生、伊吹文明先生、衛藤征士郎先生、左藤章先生、柴山昌彦先生、中山泰秀先生、本田太郎先生
 公明党 衆議院議員 井上義久先生、浮島智子先生、参議院議員 石川博崇先生
 立憲民主党 衆議院議員 菅直人先生
 民進党~無所属の会 衆議院議員 中川正春先生
 日本維新の会 衆議院議員 谷畑孝先生
 元職 中野寛成先生(世界連邦運動協会会長代行)、犬塚直史先生

 日本のとるべき外交戦略を提言する自民党外交調査会が2017年12月に再始動した。日本が外交課題に向き合うため、新体制のもと再始動することなり、会長に衛藤征士郎・元防衛庁長官、幹事長に原田義昭・元衆院外務委員長が就いた。衛藤征四郎会長は世界連邦国内議員会議の会長にも就任された。そして、長谷川祐弘理事長に、現在グテーレス国連事務総長が進めている国連改革と国連憲章が日本にとって意味することに関して話すように要請された。自民党の外交調査会と、世界連邦日本国会委員会の会議で述べた要旨は以下の通りである。



 長谷川祐弘理事長は自民党の外交調査会と世界連邦日本国会委員会で、イマヌルカントと永遠なる平和の達成へ向けて、19世紀の「欧州の協調」、20世紀初頭の第1次世界大戦後の国際連盟そして、第2次世界大戦後の国際連合が設立された理由を分析して、国連改革が「紛争のない世界を築くために何が必要か」ということを突き詰める必要を説いた。そしてブトロス=ガーリの「平和への課題」「開発への課題」「民主化への課題」、コフィ・アナンの「より大きな自由を求めて」潘 基文の「HIPPOパネル」設立を踏まえてグテーレス事務総長が「政治の卓越性」と「紛争予防」の重要性を掲げていることを説明された。


 また、日本の政治家が問題視している国連憲章の旧敵国条項の53条と第107条に関しては1995年に総会がすでにこの条項を削除すべきとの決議案を可決していることを指摘された。

 長谷川祐弘理事長は、尚且つ日本は憲法の前文に唄えられている「名誉ある地位」を得ることを掲げており、その観点から国連平和活動への貢献策の重要性を認識すべきであると述べた。グテーレス国連事務総長が日本を2017年12月に訪問した時に、「保護する責任」の概念の信ぴょう性が落ちた状況で、「人間の安全保障」を理論的な土台とすることの意義を認めた。一案として「人間の安全保障」の意味することをより分かりやすく理解してもらうために“People First” ピープル・ファーストというドクトリンを広めることを薦めた。


 長谷川祐弘理事長は、また、人間社会において正しい行動と動機の一貫性の確立の重要性を説いた。日本は第2次世界大戦後に一貫して正しいことをしてきたが、その動機が従来の ウエストフェリア体制での一国の覇権の下での平和と安全を維持することだけでなく、グローバルガバナンスの下で公平で公正な国際社会を築いあげることが、日本国憲法そして国連憲章の求めている世界像に沿って行くことにあると述べた。

山崎善也世界連邦宣言都市自治体全国協議会会長、衛藤征士郎世界連邦日本国会委員会会長、中川正春世界連邦日本国会委員会事務局長、長谷川祐弘日本国際平和構築協会理事長、中野寛成元国務大臣(世界連邦運動協会会長代行)、中山泰秀衆議院外務委員長



(文責: 谷本真邦 日本国際平和構築協会 事務局次長)