【国際機構論】2010年5月11日(火) 紀谷昌彦様 外務省 総合外交政策局国連企画調整課長

本日は外務省より総合外交政策局国連企画調整課長の紀谷昌彦氏をお招きし、講義を行いました。日本の国連外交の歴史や現在の世界情勢の中での日本の国連外交の在り方について御説明して頂き、国連との取り組みを考える上で国益と国際益を調整する重要性を指摘され、その中で日本が主体性を持ち、独自性のあるアプローチを用いて活動していく必要があると述べられました。(山本 純哉)

Questions and Comments from students

1.今後は企業と国連のタイアップなど新たな方向性を探ることが重要で、これは企業だけでなく大学などいろいろなグループでも可能であるというお話が印象的でした。

2.日本における国連の見方、国連の日本の立場そして、日本の国連外交の課題がわかりやすく説明されていたのでよかった。

3.映画などをみるとルワンダなどでは国連PKOの限界が見えるようにも思えたが、可能性の面からは日本の活躍を含めていまだに多きことが感じられた。

4.今日のお話の中で、「国と国との関係は人と人との関係に似ている」というのが印象に残りました。世界の利益と日本の利益の調和を図る時に日本が国際社会にアピールできる最大の強みは一体何だろうか、自分でも考えたいと思います。

5.国連・国際社会の利益を追求しつつも日本にも利益が得られるようにすることがベストだと思った。日本は相対的に経済力が低下しているので、金に任せた政策ではなくて、内容を重視したものに変えていくべきだと思った。

6.私はEUやASEANのような地域機構に興味があります。ただ鳩山首相が掲げる「東アジア共同体」構想は実現しないと考えていました。だから今日のお話の中にでてきた「日本はgroupingを作りにくい国」という言葉がとても印象に残りました。島国であるという点以上にその他のアジアの国々との成長の差、国家としての地位が違うし、共通の利害関係を調整することが困難だと改めて考えさせられました。本日はありがとうございました。

7.国連外交において国益を結い窮していくという姿勢は、日本の安全と繁栄を守る上でも重要だと思う。しかし、一方で国益追求を全面に出して外交を行っているがために南北問題など、貧富の差、経済的格差が広がっているのではないかと思いました。投資や技術支援がはたして本当に貧困撲滅・国の発展に直接的につながっているのか疑問に感じた。

8.日本の支援策としてインフラの整備や産業の育成など私としてはこの支援策のほうがその国家の将来を見据えていてよい策だと思っていたが、それが袋叩きにされたのがとても意外でした。やはり物資提供は支援される国も即自的に助かるが、最終的には支援する国の満足に終わってしまうと思いました。