【国際機構論】5月13日 久山純弘 国連大学客員教授

国際機構論に来ていただいたゲストの方をご紹介する本コーナー。
今回は前期に来ていただいた久山純弘 国連大学客員教授の講義の模様をお送りします。

【5月13日 久山純弘 国連大学客員教授】

①ゲストのプロフィールご紹介

国連大学客員教授

久山純弘教授は東京大学と上智大学大学院を修了し、1975年から1984年まで外交官として日本政府国連代表部に在籍すると同時に、
1979年から1983年までACABQ(国連財政諮問委員会)のメンバー、1983年には国連総会第5委員会(行財政問題担当)の議長も務めた。
1984年には国連事務次長補に任命され、1993年まで務める。
更に国連総会選出により1995年から2004年までJIU委員(その間委員長職を含む)も務められた。

国連大学HP:http://www.unu.edu/HQ/japanese/index-j.htm


②講義要旨

2008年5月13日の国際機構論の授業に、国連大学客員教授を務めておられる久山純弘先生に講義をしていただきました。

講義は「国連活動の効果・効率化促進のための基本枠組みと問題点」というテーマに基づき行われ、
主に国連活動の枠組みや問題点についてお話して頂きました。

講義の中では次の様な点につきご指摘いただきました。
すなわち、
(1)国連はグローバル・イッシューに対して効果的・効率的に対処することが必要である。
(2)国連が仕事を進めていく上での主なアクターは国連加盟国(総会等の政府間ボデイ)と事務局であるが、oversight組織も機能的にこれらと密接な関係を有しており、従ってこの三者が国連活動の全過程を通じ夫々本来有する機能を最大限発揮するとともに、総体としての相乗効果が高まる様に行動すべきである。
(3)国連の仕事の基本枠組みはマンデートの策定からフィードバックに至る一連のプロセス(5段階)として把えられ、
理想的にはこれらの5段階を経て、その成果が将来のより良き政策策定(第1段階)等にフイードバックされるのが望ましいが、
現実にはこういった状況からは程遠いといわざるを得ない。
(4)また今後国連が効果・効率的に活動する上で少なくとも5,000以上あるといわれるマンデートの整理も早急に取組むべき重要な課題であるが、
そのためには 国連組織(機構)の整理・簡素化、一貫性の一層の推進等も必要である。