
Siddharth Chatterjee氏の力強いメッセージは、それぞれの学生が国際社会の諸課題を自分ごととして捉え、自らの役割を模索する貴重な機会となった。
多くの学生が特に心を動かされたと語ったのは、冒頭に上映されたChatterjee氏の個人的・職業的な歩みを紹介したビデオであった。そのユニークなキャリアパスは、学生たちが自身の将来をより広い視野で考えるきっかけとなった。
ある学生は、「自分たちの快適な生活の裏で、世界には十分な注目を集めていない無数の紛争があることに気づかされた」と述べ、グローバルな課題に対する当事者意識を持つことの重要性を学んだと語った。また、Chatterjee氏が「人的資本」、すなわち教育への投資こそが国家発展の最も重要な道であると強調した点や、核兵器が3万発以上存在する現代を「人類の最低点」と表現し警鐘を鳴らしたことに、強い衝撃を受けたという感想も寄せられた。
講演後にはChatterjee氏と活発な質疑応答が行われ、学生たちの高い関心が示された。ある学生は、「なぜ多くの隣国同士は紛争に陥りがちなのか」と質問した。これに対しChatterjee氏は、歴史を通じた資源や権力をめぐる闘争にその根源があると解説し、質問した学生は対話と外交の重要性を改めて実感したと述べている。
今回の勉強会を通じて、学生たちは地球規模の課題解決には競争ではなく協力が不可欠であること、そして平和な未来を築くためには対話を通じて共通の基盤を築く努力が欠かせないことを学んだ。国連改革のようなハイレベルな課題の難しさを認識しつつも、若者には草の根レベルで改善できる大きな力があるという気づきを得られ、非常に有意義な時間となった。
(レポーター:松島大剛)