【国際機構論】2009年10月6日(火)村田俊一様(UNDP駐日代表)

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本日の「国際機構論」はUNDP駐日代表を迎え、「国際開発プログラミングの最新動向とUNDPの役割」をテーマとしてお話しいただきました。まず始めにUNDPの理念と活動指針に関する基本的な知識とMDGs(ミレニアム開発目標)について詳しく説明されたあと、村田様がブータンで活動されていた当時の映像を見せていただきました。さらに、開発に求められる人材についてのお話を伺いました。講義全体を通して、ユーモアを交えつつ、大変興味深い講義でした。(sakai kanako)「国際機構論」

■テーマ: 「国連開発プログラミングの最新動向とUNDPの役割」
■講 師: 村田 俊一 氏 UNDP駐日事務所代表
■日 時: 2009年10月6日(火)13:30~15:00
■場 所: 法政大学市ヶ谷キャンパス 富士見校舎F309教室
■作成者: 酒井 可南子 法政大学法学部国際政治学科2年

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         <Ⅰ.講義概要>
1. UNDPの役割
(1)途上国ではUNDPは「UN」と呼ばれることが多く、国連への窓口、もしくは国連そのものというイメージがある。
(2)「人間開発報告書」の役割…UNDPの活動の根幹。今年度は、主なテーマが「移住・移民」。各テーマにおいて各国をランク付けするこの報告書において、今年度1位はノルウェー、日本は10位。日本はジェンダーでの順位が低い。これに対して、寿命は世界一である。寿命が長いということは、政治や経済の安定をもたらす。
(3)UNDPの仕事のひとつとして、能力開発・強化が挙げられる。また、アジアでUNDPの関わらなかった選挙はなかったと言って良いほど、選挙の支援も行っている。
(4)行政改革、地方分権、議会の設置、司法整備など多岐にわたる支援を行う。
(5)「Delivering As One」…アナン前国連事務総長が提唱した「One UN」の考えに基づき、この考えが生まれた。個々のエージェンシーが個別にプロジェクトを行うのは予算がかかり、また煩雑である。この問題を解決するために、各機関が共同・協力してプロジェクトを行うこと。

2.開発に求められる人材とは
(1)開発の現場で求められる人材とは、一体どのようなものか。
①人間好きであること。
②異文化や異なる価値観を受け入れられること。
③体力があること。
(2)HOWではなくWHATが大事。本屋などでよく見かけるHOW TO本などばかり読んでいると、自分の意見を持つことの出来ない、節操のない人間になってしまう。大切なのは、WHAT「何を」学び、それらをどのように生かしていくか、というのが大事。
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        <Ⅱ.質疑応答>

Q. 研修旅行で東ティモールを訪れた際に、都市部と農村部の大きな格差が目に付いた。国際機関なども、ほとんどは都市部にオフィスがあった。UNDPは、このことについてどう考えているか。
A. 非常に良い質問。都市部の貧困の源泉は農村部の貧困にあることが、調査で明らかになっている。農村部に十分な教育などが無いがために、それらの貧困者が都市部に移動している。都市の貧困を考えるときは、まず農村の貧困をみることが必要である。

Q.「Delivering as One」はとても理論的な考えだと思うが、各機関の独自性や強みを消してしまうのではないか。
A. 最も大切な事は、それぞれの長所を最大限生かした援助をすること。競争するのではなく、協力し合い、それぞれを補完し合う事が重要。

村田俊一
関西学院大学卒業後、UNDPウガンダ事務所勤務。その後、同ニューヨーク本部、エチオピア事務所にて研修を修了。スーダン事務所およびニューヨーク本部にて勤務。1989年から、UNDP北京常駐代表事務所常駐代表補佐、1992年からは同モンゴル事務所常駐副代表に就任。1996年にUNDPフィリピン事務所常駐副代表を務めた後、1999年から2002年までブータンにて国連常駐調整官とUNDP常駐代表を兼務。2006年より国連開発計画駐日代表に就任。