【NEWS】長谷川ゼミ4年生 野口哲正さんが朝日新聞に掲載されました。

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◆ルワンダで大学生2人がインターン
 日本人の存在感のなさ痛感

 部族間の対立から1990年代、内戦と大量虐殺があったアフリカ中部の国ルワンダ。現地で日本人が経営するし尿処理剤の販売会社へ、都内の大学から2人の学生がインターンに行ってきた。新たな国造りに励む人々のためには、援助だけでなく事業が必要だ――。帰国した2人はそんな感想を話してくれた。(松村康史)

◆法大・野口さんと
 東京外大・寺崎さん
 邦人経営の会社手伝う

 2人は法政大学の野口哲正(のりまさ)さん(22)と、東京外語大の寺崎劼菲(ジェイフェイ)さん(23)。それぞれ、自分の大学へ講演に来た会社経営者佐藤芳之さん(70)の話に感銘を受け、インターンを志願した。
 佐藤さんは30年以上前、ケニアでナッツの製造販売会社を起こし、成功を収めた人物だ。70歳になるのを機に、ナッツ会社をケニア人経営者らに任せ、新たに、微生物の働きで汚水の分解を促進するし尿処理剤の販売会社をケニアとルワンダにつくった。
 野口さんは昨年8月から約4カ月、寺崎さんは9月に約3週間、ルワンダの首都キガリで営業活動や事務などを手伝ってきた。
 現地では下水道が未整備で、汚水タンクからにおいが漏れる。2人はケニアから届く処理剤をボトルに詰め替え、ホテルやレストランをセールスして回った。言葉も十分通じるわけではなかったが、「テクノロジーの国・日本から来た若造が何か言っている」と興味を持ってくれて、そこそこの実績を上げることができたという。
 ルワンダでは94年、二つの部族間の対立から約100日間で80万~100万人が死亡する虐殺があった。今は国情が安定し、経済成長の途上にある国で2人が感じたのは「日本人の存在感のなさ」だった。
 街を走る自動車のほとんどが中古の日本車で、電機メーカーの名前も知られていた。しかし日本人はほとんどいない。中国人は貿易関係、インド人はコンピューター関係の仕事で大勢やってきているのと対照的だった。
 2人はケニアのナッツ会社も見学した。ルワンダの会社はまだ少人数だが、こちらは農園と工場で約5千人のケニア人が働き、佐藤さんが手を引いても会社が成り立つようになっていた。「ルワンダの会社もそうしたい。援助よりビジネスが現地のためになる」と語る佐藤さんに感銘を受けたという。
 法学部政治学科で国際開発論を学んでいる野口さんは「いつかまたアフリカへ」。中国から日本に帰化した寺崎さんは大手商社に就職が決まっており、「ぜひこの体験を仕事に生かしたい」と話す。
 佐藤さんは、日本の若者たちに「内にこもらず、目を大きく外に見開いて飛び出してみよう」とアフリカからメッセージを送っている。〈朝日新聞より抜粋〉