【国際機構論】10月14日 滝澤三郎 前国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表


今回は、前国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表の滝澤 三郎氏をゲストにお迎えしました。
グローバリゼーションと人の移動、そして難民支援の問題に関する主要な論点を、難民の現状や、
難民自身の話も交えてとてもわかりやすく講義をしてくださいました。

Former UN Representative and UN University Visiting Professor Saburo Kitazawa visited the Hosei University on 14 October and delivered a lecture on UNHCR`s role in refugee assistance around the world.

【10月14日 滝澤三郎 前国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表】

①ゲストのプロフィールご紹介

1948年、長野県生まれ。都立大学大学院修了。1976年、法務省入省、入国管理局、訟務局、民事局に勤務。
1980年、米国・カリフォルニア大学バークレー校にて経営学修士取得。1981年、国連欧州本部に会計監査担当官として着任。
1983年、国連パレスチナ難民救済事業機関 (UNRWA) 。ウィーン本部、アンマン本部、ベイルート事務所で監査官、財務課長、財務企画官を経て、1991年、国連工業開発機関 (UNIDO) ウィーン本部。
監査課長、監察部長、財務部長、事業調整部長を経て、2002年、UNHCR本部財務局長。
そして2007年より国連難民高等弁務官 (UNHCR) 駐日事務所駐日代表。2008年、国連大学客員教授。


②講義要旨

2008年10月14日の国際機構論では,国連大学客員教授・前国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表の滝澤三郎氏をお迎えしました。

今回の滝澤氏での講義では、「グローバリゼーション・人の移動と人道支援」というテーマのもと、難民が直面する多くの不安と選択肢、
グローバリゼーションとともに拡大した人の移動による移民と難民の混在、いまだに支援の手が届きにくいミャンマーなどの国内避難民の問題、
気候変動が引き起こした水没や食糧不足による紛争が原因となって発生する環境難民たちの問題、
難民問題とテロとの関係など、現在の難民支援の多岐にわたる問題点を分かり易く説明してくださいました。

また、滝澤氏が出会ったタイのミャンマー難民が、長期化するキャンプ生活を懸念し、
「私たちのことはあきらめたから、どうかこどもだけは救ってほしい」と懸命に訴えてきた子を持つ親たちの話や、
第二の孫文を目指し、日本で法を学ぶことに強い意志をもっていた中国からの難民が、日本で難民申請が認められ、
奨学金を得て日本の大学へ進学した話がとても印象的でした。

そして、かつて難民鎖国と言われた日本が、現在より多くの難民を受け入れていく準備を整えてはじめていること、
またより多くの難民を受け入れることの重要性について、お話をお伺いしました。 (リポーター:法学部国際政治学科3年、峰川 頌子)